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技術の進歩が、人工衛星の可能性も広げてくれる。

原田精機株式会社[人工衛星の開発] - 川嶋 章宏

HatarakuHito

技術の進歩が、人工衛星の可能性も広げてくれる。

――原田精機は社員30名という規模にもかかわらず人工衛星の開発に挑んでいるんですよね。川島さんはその中心人物と伺っていますが、原田精機に入社されたのはいつ頃ですか?

川島3年ほど前です。それまではCDやDVDなどの検査装置を作る会社にいて、記録をディスクに残す手法を研究開発していました。

――原田精機に転職したきっかけは?

川島当社に、スズキでエンジニアをしていた方がいるんです。スイフト開発の総監督も務めていて、面接で話した時に「この人と一緒に働きたい」と思ったのがきっかけですね。大きな会社より「やっていること」と「働いている人」の面白さで決めました。

――入社後はすぐ人工衛星の開発に携わったんですか?

川島人工衛星は宇宙から地上を撮影するカメラ、データ送信装置、地上でデータを受信するパラボラアンテナなどが1つのパッケージになっています。そこで、まずは反射望遠鏡を宇宙に持っていくための小型化・高精度化に取り組み、それから50cm四方の人工衛星に搭載するカメラとデータ送信装置を開発しました。

――人工衛星のサイズは50cm四方なんですか? もっと大きいものだと思っていました。

川島JAXA(宇宙航空研究開発機構)が定める衛生放出装置の規格は「1U=10cm四方」で、1U、3U、5Uというサイズ規定があります。それと同じサイズに作っているんです。また、人工衛星はロケットから放出された後に地球を周回しますが、以前は放出の際に宇宙飛行士が安全ピンを抜いていたんですね。
しかし、それでは宇宙飛行士の仕事を増やし、トラブルがあると宇宙飛行士の責任になってしまう。そこでパレットにセットすれば放出されるよう改良しました。

――人工衛星がたくさん打ち上げられると、どんなことが可能になるんでしょうか?

川島人間が赤や青などを色別できるのは光の波長が違うからですが、最近の研究で色だけではなく、花粉の波長などもわかってきました。すると、いまスギ花粉がどこをどれだけ飛んでいるかも人工衛星でわかります。稲は実るとタンパク質が増えるので、タンパク質の波長で最適な時期に刈り入れできるようになるはずです。

――それはさまざまな事業に活用できそうですね。

川島宇宙から3Dで撮影すれば、地上でも3Dで確認できます。それに撮影データの送受信は光で行うので、電波のように横から傍受できません。セキュリティ面でも安全です。

――技術の進歩により、人工衛星の可能性もどんどん広がっているんですね。

川島たくさんの衛星が飛び、間断なく撮影できれば地震や津波が起こっても避難しやすい状況が作れるのではないかと考えています。

――最後に、人工衛星に関わる面白さを教えてください。

川島いまは3Uの人工衛星を開発していますが、宇宙はまだまだわからないことが多く、日々新たな発見ばかり。でも、そこが面白いです。当社は宇宙システム工学や人工衛星の第一人者である東京大学の中須賀教授にいろいろアドバイスをもらっていて、「教えてほしい」と言うと「この分野は〇〇先生が専門だから聞けばいい」と紹介してくれるんです。いつも紹介された先生を訪問して細かい部分を教わっています。

――中須賀教授が「教えてくれる人」を教えてくれるんですね。

川島そういうことですね(笑) 本当にお世話になっています。

――ぜひたくさんの人工衛星を飛ばして、もっと便利で暮らしやすい世の中を作ってください。本日はありがとうございました。

Hatarakuhito

川嶋 章宏

原田精機株式会社
技術開発部

Company

原田精機株式会社

自動車、オートバイ、航空機、人工衛星などの精密部品の設計・開発・製造ならびに競技用車両の試作開発、供給のサポートを行う。

この記事を書いたライター

是永 真人

是永 真人 ( これなが まさと )