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tsukuru*hito (ツクルヒト)

tsukuruhito file #8

ピンチを、チャンスに。骨太な会社のつくり方。

やまと興業株式会社 / 代表取締役社長 / 小杉 昌弘

Webメディアの企画・運営を手掛ける『PrmaCeed』の代表・岩田彰人が、さまざまな業界のキーパーソンと対談するこの企画。 今回のお相手は、二輪・四輪のコントロールケーブル製造やパイプ加工をはじめ、LEDペンライトや粉末茶の開発、さらに飲食店の経営まで多角的な事業展開を進める『やまと興業』 の代表取締役社長・小杉昌弘さんです。 「そろばんが得意だったから、小学生で原価計算をしていた」 「自分が知らないうちに、勝手に代表印が作られていた」 「LED事業に進出したのは、世の中を明るくするため」 終始ニコニコ顔で語ってくれる、御年74歳の小杉さん。その話には会社経営の醍醐味が詰まっており、いかなるピンチもチャンスに変えてきた前向きな姿勢は社会人として誰もが学ぶべきもの。 小杉さんの話から、ぜひこれからの時代を生き抜くヒントを得てください。

Chapter 3世の中を明るくしようと作りはじめたペンライトが、ライブ会場で光り輝く。

岩田やまと興業の沿革を見ると、ずっと二輪と四輪の部品を作ってきたのに、1995年に突如「LEDのオリジナルペンライトを開発」という文字が出てきます。なぜ急にペンライトを作ろうと思ったんですか?

小杉前年の1994年に創立50周年を迎え、周年記念パーティーを開いたんです。その際、東京で折るタイプのペンライトを大量に買ってきて、みんなで振ったんですね。当時は不況が長引いていて、自分たちもペンライトみたいに世の中を明るくするモノを作りたいなと思ったんです。

岩田確かに、就職氷河期と言われていましたね。

小杉会社が50周年を迎えられたのもいろいろな方の協力があってのこと。警察署や消防署などに寄付をしていたんですが、浜北警察署の交通課長に会った際、「お爺さんやお婆さんが夜中に散歩していて危ないから、懐中電灯以外のものを作ってみては」とアドバイスされたんです。それがきっかけになりましたね。

岩田ということは、まず交通安全用のライトを作ったんですね。

小杉そうです。どうやって作ろうと考えて、研究開発課長の氏原君が世の中にある全ての光源を集めてくれまして、集めてきた中にLEDがあったんです。省エネだしこれは良いということになって、静岡大学で半導体の研究をしている教授からいろいろ教わり、当社の培ってきた技術でできるものを研究開発しました。

岩田その交通安全用のライトは売れたんですか?

小杉それが全く売れないんです(笑) とりあえず1万個作って3,000円で売ろうとしたんですが、なかなか思うように売れない。

岩田3,000円のライトは…買わないでしょうね(笑)

小杉しょうがないので一番売った人間には10万円の賞金を出すことにして、浜松のお祭りで私も手売りしました。

岩田小杉さん自らですか。それで結果は…?

小杉無理矢理全部捌きました(笑)

岩田それも営業力ですね(笑)

小杉ただ、やっぱり3,000円高いなということになり、1,000円で売れるモノを作ろうと棒タイプのライトを開発したんです。で、これをギフトショーに並べてみたら、意外な業界の人が目を付けてくれたんですよ。

岩田どこですか?

小杉芸能界向けのグッズ業者です。それまでもライブ会場でペンライトは振られていましたが、私たちが周年イベントで使ったような折って液体を混ぜるタイプが主流でした。それに比べてLEDは発色も良く、長時間光ったまま。それからライブ用のLEDペンライトを開発したんです。

岩田今度は…たぶん売れたんでしょうね(笑)

小杉もの凄く売れました(笑) 当社で作ったLEDペンライトのデビュー戦が男性の国民的アイドルグループの東京ドームライブだったんですが、ライブ前の物販で飛ぶように売れて3000本が完売です。そうなると実際のライブでどんな風に光っているのかどうしても見たくなって、なんとかライブ会場に入ってみると、もう従来の商品とは明るさが段違いなんです。ファンの人にとっては、本当に楽しみにしてきたライブ。そこでずっと明るく光ってるペンライトがあれば、みんな欲しくなりますよね。それに、しばらくしたら指に何本も挟んで使うお客さんも現れたんです。デザインを変えて他のアーティストのペンライトも作るようになり、あっという間に100万本売れました。

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小杉 昌弘

小杉 昌弘

やまと興業株式会社
代表取締役社長

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やまと興業株式会社

自動車部品事業、エンターテイメント事業を専門とする会社です。

この記事を書いたライター

是永 真人

是永 真人 ( これなが まさと )