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tsukuru*hito (ツクルヒト)

tsukuruhito file #8

ピンチを、チャンスに。骨太な会社のつくり方。

やまと興業株式会社 / 代表取締役社長 / 小杉 昌弘

Webメディアの企画・運営を手掛ける『PrmaCeed』の代表・岩田彰人が、さまざまな業界のキーパーソンと対談するこの企画。 今回のお相手は、二輪・四輪のコントロールケーブル製造やパイプ加工をはじめ、LEDペンライトや粉末茶の開発、さらに飲食店の経営まで多角的な事業展開を進める『やまと興業』 の代表取締役社長・小杉昌弘さんです。 「そろばんが得意だったから、小学生で原価計算をしていた」 「自分が知らないうちに、勝手に代表印が作られていた」 「LED事業に進出したのは、世の中を明るくするため」 終始ニコニコ顔で語ってくれる、御年74歳の小杉さん。その話には会社経営の醍醐味が詰まっており、いかなるピンチもチャンスに変えてきた前向きな姿勢は社会人として誰もが学ぶべきもの。 小杉さんの話から、ぜひこれからの時代を生き抜くヒントを得てください。

Chapter 5どんな時も、明るく元気に、前向きに。

岩田ペンライトの話が面白くて深堀りしてしまいましたが、輸送機器の部品とペンライトの売上比率はどれくらいなんですか?

小杉9対1で輸送機器の方が多いです。事業の軸はあくまでも二輪・四輪の部品製造で、そこは変わりません。ペンライトは「世の中を明るくしたい」という想いからはじめたものですから。

岩田小杉さんが代表に就任してから36年経ちましたが、これまで一番会社が苦しかったのはいつですか?

小杉ずっとヤマハの仕事が多かったので、ホンダとヤマハのシェア争いが激化したHY戦争の時も大変でしたが、一番はやはりリーマンショックの時ですね。途端に売上が半分になりました。リストラは一切しなかったんですが、その時は辞める人もいましたね。

岩田急に受注が減ると、工場はどうなるんですか?

小杉作るものがないので、機械は止まります。やることがないので、みんなで工場内を掃除したんですよ。そしたら1カ月でピカピカになってしまって、また暇になりました(笑) でも、あれも会社にとっては1つの転機になりましたね。

岩田どのような転機ですか?

小杉落ち着いていろいろと見直す時間が持てました。うちはあの機会に業務改善のプロジェクトチームを発足したんです。工場で働いている社員を選抜してトヨタ生産方式(TPS)の勉強会に参加させ、現場改善を促しました。2~3年を1期とし、1期ごとに5~6名が学び、つい最近5期生が卒業したところです。

岩田ということは、もう25名がTPSを学んだんですね。

小杉そうなりますね。TPSを学んだ社員がさまざまな部署に散らばり、各部署の改善に取り組んでいるので、会社の骨格がどんどん骨太になっていると感じています。

岩田ピンチをチャンスに変えたんですね。

小杉「どんな時も、明るく元気に、前向きに」を大切にしていますから。これは日本だけではなく、海外でも同じです。

岩田やまと興業は中国、ベトナム、インドネシアにも工場を持っていますよね。

小杉二輪・四輪のメーカーがどんどん海外に進出したので、現地向けの部品を海外で作っています。

岩田海外に工場を持つと、人集めに苦労しませんか?

小杉最初に中国の工場をもつ時、いろいろな工場を視察したんです。すると、ほとんどの工員は出稼ぎで、大体3年働いたら故郷に帰ってしまうんですよ。そのことを知り、福利厚生を手厚くしました。美味しい中華料理店の店長を口説いて食事を作ってもらい、洗濯機と温水シャワーを各階に置いて。

岩田日本人と同じように、あたたかい関係構築に力を入れたんですね。

小杉そうです。3年働いた人たちが故郷に帰ると、同じように出稼ぎで他の会社に行っていた人たちと「こっちはこうだった」という話になるじゃないですか。良い環境を用意していれば、故郷で自然と当社の良い評判を広めてくれるんです。だから人材には困ったことがないですし、出身地域ごとのグループができるので会社としてもまとめやすいんですよ。いまは時折日本から見に行く程度で、日本人の駐在員も廃止しました。

岩田モノづくり企業が海外に進出する際の好例だと思います。

小杉先代から「仕事は任せなさい。信頼すれば応えてくれる」と言われていたんです。海外でもその教えを実践しただけですよ。

岩田今日はインタビューを通して、いろいろと学ばせてもらいました。ありがとうございました。

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Tsukuruhito

小杉 昌弘

小杉 昌弘

やまと興業株式会社
代表取締役社長

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やまと興業株式会社

自動車部品事業、エンターテイメント事業を専門とする会社です。

この記事を書いたライター

是永 真人

是永 真人 ( これなが まさと )