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tsukuru*hito (ツクルヒト)

tsukuruhito file #15

航空事業の最先端は新潟に。ボーイングの重要部品をつくる「AI工場」。

株式会社山之内製作所 / 代表取締役社長 / 山内 慶次郎

Webメディアの企画・運営を手掛ける『PrmaCeed』の代表・岩田彰人が、さまざまな業界のキーパーソンと対談するこの企画。 今回のお相手は、航空・宇宙・防衛・医療など、さまざまな分野の精密機器をつくっている『山之内製作所』の代表取締役社長・山内慶次郎さんです。 削りにくい、加工が難しい「難削材」の切削加工に取り組みながら技術力を高めた同社は航空事業に進出し、いまではボーイング787の機体や航空機エンジン部品を製造するまでに成長。しかも、それらはすべて新潟県内にある24時間稼働型のAI工場でつくられています。 新規参入が難しいと言われる航空業界で確かな実績を残してきた山内社長は、今後何を目指すのか。会社のことから航空業界の行く末まで伺います。

Chapter 3自動車業界の変革が、飛行機をより身近なモノに変える。

岩田少し話は変わりますが、いま自動車業界が大きな変革期を迎えているじゃないですか。この影響は航空業界にも少なからず及ぶでしょうか?

山内当然及ぶでしょうね。自動車はシェア化が広まり、これから無人化も進んでいきます。そうなると、ユーザーからは「果たして自家用車が必要なのだろうか?」という疑念が出てくるはずです。また、シェア化、無人化によって「この地域には何台の輸送手段の乗り物があれば住民の日常生活に支障はない」というビッグデータを取ることができますし、乗る車の大きさ用途などもその都度無人タクシーや無人輸送車・無人トラックが選択できるようになれば、いまのようにあちこちに駐車場がなくても良くなりますし、時代が進めば、ゆくゆくは従来の駐車場をヘリポートに変換し、ドローンのような垂直離着のできる空飛ぶタクシーが走るようになるかもしれません。

岩田シェア化と無人化が進めば、車種や形よりも用途を第一に考えて無人車を選ぶようになるでしょうし、便利であれば自家用でなくとも良いというユーザーは増えそうです。でも、空飛ぶタクシーというのはアニメーションで描かれてきたような近未来の形ですね。

山内もちろん、当てもなく言っているわけではありませんよ。2015年から小型ビジネスジェット機の『ホンダジェット』が運用され始めたじゃないですか。これは機体もエンジンもホンダグループで開発し、このこと自体がまず凄いんですが、何よりほぼ無人で運航できるよう設計されています。認証やルールの問題でパイロトが乗務しているようなものです。近い将来、無人機が日本の空を飛ぶ可能性は大いにありますよ。

岩田先ほど、日本で飛行機はつくれない、というお話がありましたよね。ということは、ホンダジェットも…。

山内アメリカでつくっています。

岩田やっぱりそうなんですね。ただ、そこまで時代が進むと車の生産台数も減り、部品メーカーは苦労するかもしれませんね。

山内だからこそ、車の一部品をつくってきたような中小企業の「プランB」として、航空産業への参入が部品メーカーを助けることになるのではないかと考えています。ドローンだって、日本ならもっと高品質なモノがつくれると思いますが、現実には中国が覇権を握っています。携帯電話も、中身の部品は日本製なのに、売っているのは韓国です。近年、未来に影響を与えるような商品で日本は後塵を拝してきました。その歴史を繰り返さないためにも、どの業界の経営者も10年先を見据えた事業展開を考えていかなければならないでしょうね。

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Tsukuruhito

山内 慶次郎

山内 慶次郎

株式会社山之内製作所
代表取締役社長

Company

株式会社山之内製作所

半導体機器、電機製品、バルブなどの製品を経て、現在では防衛特機部品、医療機器、宇宙開発機器など、精密部品の加工から組み立てまでを行う。

この記事を書いたライター

是永 真人

是永 真人 ( これなが まさと )